所感・解説 [メモ部分は緑字表記。画像は最下]
弓道やったことない人にいきなり弓を与えて、さあ引きなさいと言えば、左手は突っ張ってつっかえ棒のようにし、右手は手先でつまむように引っ張るのではないでしょうか。
右手のつまみ方は色々あるかもしれません。手繰るようにめいっぱい引き込むパターン、反対に手首を外側に返すような形で引くパターン(半弓みたい?)、そして見た目はその中間である、直線的にがっちり固定するパターン。
弓道においてはこれらはいずれもNGなので、初期のうちに正しく引けるように矯正しなければなりません。悪い状態を続ければ続けるほど、治すために必要な期間も長くなるからです(間違った練習をするくらいなら、練習しない方がまし)。
しかし私は、右手も左手も上記NGのような形で長らく引いてきました。右は「手繰るようにめいっぱい引き込むパターン」です。そしてこれらによって構成されるのが、ブログのテーマでもある「三角弓」です。
そしてさらに悪化したパターンがこれ。
『肩が支点に』なり、度を超えた『引き過ぎに』なってしまっています。これではもう左右のバランスもへったくれもない。最優先で、かつ、根気よく治療をしていくしかないですが、先にも書いたように、弓道を始めてこの方ずっとこのように引いているので、全くの手探りとなります。途方もない話だ。
ここまでの話は主に上下方向というか垂直方向についてのものですが、似たようなことが同時に体の前後方向でも起きています。引分けでは、弓を前面から体の方に近づけてくるわけなので、力の方向は前面から背面になりそうなところですが(下図オレンジ線)、これも弓道ではNGとされる(とは言いつつこっちは若干確信ない。回し込むように引けとか言うので)。この力のままで会を行うと、離れでは振り込みや羽ばたきが発生してしまいます。
引分けは、図解にも「左右の肘を伸張する」とあるように、主として直線的な力(図の水色線のような)を使って行う必要があります。しかし私はこれもオレンジでずっとやってきたものだから、水色でやろうとしたときの弓矢の寄せ方とか、手の内への回転の掛かり方とか、馬手の張りの掛かり方とかが全然しっくりこない。カオススタート。
言うまでもないことなのかもしれないが… 弓道は少なくとも二千年近い日本の弓の歴史の上に存在しており、これまでに積み重ねられた膨大な知見の中で最適だとされたのが今の射法です。
この射法は始めに述べたような本能の延長で引く弓よりも当然優れていますが、後天的なものであるため、初期の指導と経過観察の環境が重要になってきます。
とは言え、私自身が先の悪癖を抱えることになったのを周りのせいにするつもりは毛頭ありません。現に私が弓道を始めた高校の同期でもそうならなかった連中の方が多い。上手になるかならないかにおいて外せない決定的な要素は、やはり性格です。私の場合、若くしてすでに人の言うことを素直に聞かない質だったので、自分の信じる道をまい進した結果今に至るのです。
この性格はやっかいなものですが、ざっくり言って嫌いじゃない。前回記事にも書いたようなエネルギーの源にもなるし、何よりこの頑固さがなければ、然したる戦果も上げていない弓道をこうも長く続けてなんかいない。
弓道を続けさせながら、時として上達を阻むやっかいものではあるが、こうでなければ自分じゃないとも言えるし、死ぬまでの付き合いなので仲良くやっていくしかない。
さて、最後に念のための補足ですが、人の言うことを素直に聞かないと言っても、端から否定するとかはしてないです。その場は普通に聞いている感じです。 …どっちが質が悪いかは微妙ですが。
さらにもう一つ補足しておくと、言われたそのときはピンとこなくても、時間が経ってからそういえばみたいなのもよくあります。すぐに採用しなくても知識倉庫には入れるんですね。
まあそもそも全部我流でなんてやろうと思ってもできない。色々工夫するにしたって、知っていることがベースになることが多いです。毎度のことながら、いいバランスでやっていきたいと思います。
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この日の弓道練習メモ [メモの活字化 (画像は最下)]
170406(右ページ)
おさめぎわの右肩まわり。きついが裾野の力を維持して乗り切る。
肩が支点になってしまうと引き過ぎになる。
きついがおさめぎわをやりきるのが大事。
170408
体に入れるというより、引分けで体を開く。