所感・解説 [メモの引用は緑字表記]
このブログのタイトルでもある三角弓は、「馬手を手先でたぐり、弓手をまっすぐにつっぱって引く癖。会の形が弓手角見、馬手肘、馬手手首を頂点にした三角形のようになる」という引き方のことでした。全体的に馬手側に偏ったバランスになっています。
肩線もこれに例外ではなく、馬手肩が低く、弓手肩が高くなっています。
この肩線のずれは鏡などを見れば自分でも認識しやすいので、過去にも何度か治そうと取り組んできましたが、そこで問題となるのは、馬手肩・弓手肩のどちらを治せば良いのか、つまり馬手肩を上げるべきか/弓手肩を下げるべきか、ということです(両方悪いという可能性あるが)。
実は以前はここに問題があるとは思っておらず、「馬手肩が低すぎる」一択でした。「弓手肩が高すぎる」と思わなかったのは、肩と頭との位置関係(距離感)によります。鏡を見たとき、弓手肩はあるべき高さにあるように見え、馬手肩は頭に対して遠すぎる(低い)ように見えたのです。
肩と頭との位置関係はこんな感じであるべき、という自分の中のイメージは、他の人の射や写真、絵などによって作られてきたものであるため、それを当てはめたら上記のような解となったのです。
しかし、距離で判断するには重要な要素が抜けていました。それは首の長さとなで肩です。首長なで肩だと肩関節は人よりも低い位置になるため、頭との距離は長くなります。ここに違いが存在することを認識していなかったため、弓手肩が高いという発想を持つことが出来なかったのです。
正しかったはずの馬手を疑い続けて時を浪費したのは残念という他ない。これは骨格の違いによって射が変わりうるということを分かっていなかったことによる過ちです。
今回の話は、骨格の違いは思ったより影響範囲が広いかもしれないことを示唆しています(ストーリーを成り立たせるため誇張も入っていますが)。猿腕や指の長短だけでなく、今回の首や肩、ほかにも顔のパーツの位置や膝関節など… いろいろありそうです。
人の指導をする際にこれらにも気を配りたい、というのももちろんですが、それ以前にまず自分自身の骨格がどんなものなのかをしっかり把握することが大切であると感じました。
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それでも、「馬手肩が低すぎる」で何度も失敗を繰り返せば、いつしか「こっちじゃないのでは?」という気づきも生まれます。
今回メモは、弓手肩が高いという前提に立ち、それを治すために何をするかという内容でした。以下、簡単に補足しておきます。
『弓手 腕の付け根の下側を意識して、最下限を維持させ続ける』
⇒前腕の力を使って弓を上から抑えるように引分けると、その反動で付け根側(つまり肩)が上がりやすい。だから、上腕三頭筋で弓を引っ張りこむようにして、付け根の下側(脇)が浮かび上がらないようにする。
『首を伸ばす意識で降ろす。耳の位置を高くする、肩から遠ざける』
⇒引分けで弓矢を降ろしてくるときに、縦線を効かすように首を伸ばす。その際、首の長さを稼ごうとするあまり、パン食い競争みたくアゴが浮きかねない。そうならないように耳を吊り上げるようなイメージで行う。
『おさめぎわ、特に的前でおりないときは、上腕下筋と付け根下側で力尽くででも引きずり下ろす』
⇒今までと違ったことをやろうとしているので、最も負荷が高いおさめぎわは勝負どころである。的前では的にかまっているうちに昔の引き方が復活しかねない。だから始めは美しくやろうとせずに肩が上がらないのを最優先にやりきる。
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この日の弓道練習メモ [メモの活字化 (画像は最下)]
160728(左ページ)
引分けは
円相強化の延長というのは今まで通りだが、
◎弓手 腕の付け根の下側を意識して、最下限を維持させ続ける。
◎そして首を伸ばす意識で降ろす。耳の位置を高くする、肩から遠ざける。
◎おさめぎわ、特に的前でおりないときは、上腕下筋と付け根下側で力尽くででも引きずり下ろす。
(新しいレイアウトが)うまくいったときほど、会での狙い方(しぼり方)が分からずふわふわするが、あがきつづけるしかない
⇒分からんのに離れを作りにいかない。待つしかない。