所感・解説 [メモ部分は緑字表記。画像は最下]
狙いはロックオン
昭和歌謡に出てきそうなフレーズが今回のタイトルです。
内容はもちろん狙いに関するものです。
ロックオン(lock on)というのは、英和辞典では『〔レーダーなどで標的を〕ロックオン[連続追跡]する』とあり、国語辞典では『射撃統制装置やミサイルに内蔵する目標追尾機構が目標をセットし、射距離・方位角・高低角を自動的に追跡する状態にすること』とあります。
つまり、「狙った相手がどのように動こうが、照準器や飛翔体そのものがそれを認識して自動的に修正する」ということです。弓道においては、体も矢もそんなふうには動いてくれるわけもないので、あくまで会から離れで的に狙いをしっかりとつけ続けることに対してこの言葉を使っています。
和弓には照準器がついていないので、狙いは、視界の中での弓と的の位置関係を練習によって確定させ、それを再現するということになります。
その位置関係をどのように規定するかは、基本的には「横は的の隠れ具合」「縦は籐のどのあたりか」で決めることが多いのではないかと思います。
ただ、実際にはあまり細かく考えていない人も多いのではないでしょうか。もちろんそれで中っていれば問題ないわけですが、そうでないなら一度考えてみてもいいかもしれません。人に見てもらいながら、自分の感覚と実際とを擦り合わせていき、矢所や人の意見で答え合わせをして定量的っぽく(的が何割くらい出るとか、籐の何本目とか上何割とか)確定できるといいと思います。
そして、それを会・離れで毎回確認することで、最終的には感覚に落とし込んでいくことになりますが、定量をすっ飛ばしていきなり感覚への落とし込みをする方法があります。それは「狙いマークを付ける」です。当然ながら弓道では照準器はもとより目印を付けることも禁止なので、「狙いマーク」は公式な練習会や試合、審査などではもちろんNGで、日常の練習でやることになります。
私は大学のころ、狙いが高くついて上に飛ぶとわかっているのに、狙いを下げられずに結果上飛び、という症状に陥った際、この方法で修正することができました。
当時は色付きビニールテープを小さく切って籐の狙いを合わせるべきところに貼りました。跡が残ってはいけないので、貼ってもはがせるシールみたいなのが一番いいと思います。
このマークあれば、会で狙いが合っていないというのが脳にはっきりと認識されるので、そのまま離れてしまう流れが抑制され、なんとかするための猶予が与えられます。この猶予を活かして、合わせに行く感覚を探すのです。
これを何度も繰り返すと、そのうち自然と狙いの位置に合わせられるようになってきます。さらに繰り返せば狙いが合っているときの視界や体の位置関係が身についてきます。
私の場合はマークを外しても、「マークがなくなった途端にわけわならなくなる」というようなことはありませんでした。マークのあった場所が感覚に残ったのだと思います。ただ、人によって必ず同じ効果が得られるとは限りませんし、好き嫌いもあるかと思いますので、各位で取捨選択いただければと思います。
あと、早気の人は「狙いがあった瞬間Goってならないように」という問題も気にしておかなければなりませんが、これはシールがなくても通らなければならない道で、どっちみち頑張るしかない次のステップです。
今回は狙いに関する話でした。
弓道においては的や狙いを忌避する場面が時折見受けられますが、それは最低限のこと(矢が的に飛ぶように狙えている)が出来ている前提での話だと思いますので、そうでないなら最優先で取り組むべき対象の一つでしょう。
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この日の弓道練習メモ [メモの活字化 (画像は最下)]
160722(右ページ)
「会」
・狙いはロックオン
・腹中心に伸びるというか引分け
・(弓手肩抜けやすいが)
弓手肩が正しく入っていると後ろ矢が出やすいので、伸び方向少し前。
或いは、会頑張ったときに限って後ろに飛ぶ。会で馬手側(右側)がゆるんでいるかもしれない。