所感・解説 [メモ部分は緑字表記。画像は最下]
今回は円相、弓懐、そして元大関 琴奨菊の話です。
円相については以前も触れたことがあります。
弓懐は教本の後ろにある射法八節図解の弓構えのところに登場します。
この記事を書くために色々調べていて知ったのですが、全日本弓道連盟のホームページには用語辞典があって、英訳まで書いてある。
円相は「両肘を伸ばすことなく円を描くような形で構えること。 The posture where both elbows are not stretched but form a circular shape.」
弓懐は「弓構えで矢と体との間にできる円相の空間のこと。 The circular space between the Ya and body in Yugamae.」
とあります。
円相や弓懐は、弓構えや打起しの指導で言われることが多いかと思います。
今回のメモでも、まず『弓懐は円相で。打起しは弓懐(円相)で』とあります。
私は斜面なので、弓懐(円相)で打起すというのは、「内から外へ張り出している円相の力を、左斜め上に膨らませるように」打ち起こすイメージです。
正面の場合は、「内側からの円相の力を、上に膨らませるように」と言いたいところですが、実際やろうとしてみると、肩肘が上がってしまう気がする。
内側から張り出している力を大きくしていきながら、両手の間で構成される面積を広げていくから両肘が効いた状態になるのであって、面積を変えない動作で使うと力の逃げ場がなくなって、構えを崩すのではと思います。
であれば、受け渡しの際に意識するという手はあるかもしれない。肘が死ぬ場合の対抗策としていいかも。
そして、メモは打起しにとどまらず、『引分けも弓懐(円相)で』と続きます。
「両肘を遠ざける」というのと近いですが、点と線の関係ではなく、大三の両腕の状態を面や空間として捉えて、それを細長くしていくイメージです。この方が、肩・肘・手首などが立体的に働いて会に厚みが出る、気がする。
これを書いていて弓手をうねるように押す話を思い出しました。あれは主に垂直方向でのうねりについてでしたが、水平方向(からだの前後)にも力のうねりはあるので、円相はそのあたりをうまいことまとめてくれる、かもしれない。
最後は琴奨菊関のご登場です。
琴奨菊は、大関まで務めて先月引退した力士です。
琴奨菊と言えば、重心を低くし、腰を使って相手を土俵の外へ押し出す「がぶり寄り」が有名ですが、今回メモの『引分けに琴奨菊のイメージ』の対象は他にあります。
それは「琴バウアー」です。
「琴バウアー」は、琴奨菊が仕切り前に行うルーティンの一つで、天を仰ぐように大きく体を反らす動作です。
相撲がよく分からない方は、YouTubeなどで検索して見てみてください。
この「琴バウアー」みたく、あえて体を反らすイメージで引分ける。
弓を伏せ気味に引いて会が体の前に落ちてしまう癖があるので、これに対抗する切り札です。
「伏せないように引こう」としても、そうそう変わるものではない。
ならばここはひとつ、一発逆転を狙って「琴バウアー」しかない。会が体の上にどっしり乗っかってすごく安定する、という想定。
まあ本当にこういう風に引分けたら、破門でしょうが。
というかそれ以前に危険だからNG。
体に染みついた癖を浄化するには、これくらいの勢いがなきゃ駄目だぞという話です。
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この日の弓道練習メモ(画像は記事の下部分)
160505(右ページ)
弓懐は円相で。
打起しは弓懐(円相)で。
引分けも弓懐(円相)で。
そしてなんと馬手が小さい(おさまらない)という傾向あり。
引分けに琴奨菊のイメージ。
点で点を狙うとか…
弓矢が遠い。特に試合で寄らずに不安定になる ⇒ 対策考えること。